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おどるあほうの日々

おどるあほうの日々

19/持病

◎路上日記・その19

最近体の調子があんまりよくないなと思っていたら、案の定「全身性エリテマトーデス」という持病が悪くなっていた。

詳しく説明するのは大変だし、私自身よくわかっていないからここでは説明しないが、
とにかく、ステロイド剤を大量に飲み、無理をしないようにすごさなくてはならない。
 
今活動を休止するのは正直いやだなあと思う。

ここ最近、私はあせっていた。
表現者として、役者として、おどりてとして、認められたい。
私のやっていることを評価してほしい。
そう思えば思うほど、自分が持っている肉体や表現力の不足が現実としてのしかかり、地道にレベルアップを図るため、腰を据えて修行しようと自分の進むべき道を検討していたところだった
 
ふと、病気にかかった19歳のころを思い出す。

病気がわかったのは、プロの役者になりたくて、東京の学校に進路を決めた直後だった。

長期入院が必要だし、親元に居たほうがいいという医者の薦めで大学を辞めて福岡に帰ってきた。
そのときも私は何者かになりたいという大きな自意識をかかえ、ただ「病気である」自分を受け入れることができずにひどく苦しんだ。
 
なんのために、役者になりたいと思うのだろう。
自分がここに居ることを他者に認めてもらえないと何故こんなにも不安になるのだろう。
 
認めてもらうために、自分に価値をつけようとする。
ゆるぎない価値を得たいから、技術を磨こうと思う。
私の思考は昔から何も変わらず、同じように自意識をもてあます。
 
そうしてまた、同じように病気にひっかかる。

けれどいま、私は「身の程」を知ろうと思う。
苦しいけど、自分の現状をよくよく見つめてできることとできないことを判断しようと思う。病気は病気なのだから仕方がない。
 
でっかい自意識は、病気にかかる前から持っていた。考えようによってはこちらのほうが病気より厄介。直す薬もない。
 
自意識はあせりをうみ、他者に評価を強要する。そんな自分にまたあせる。そんなことしなくてもゆるがない自信がほしい。
 
体の病気とうまく付き合うために、まずこの自意識と折り合いをつけなくてはならない。
そんな自覚が出てきた分、19のころよりは成長しているのかもしれない。
 
確認。

今、私は芝居が好きで、おどりが好きで、この表現手段に可能性を感じて、私の選んだ手段を進みたいと思っている。

それが私の世界とかかわる方法。

だからこそ、表現者として人前に出るときには、いつも、よりよい私でありたいと願う。
 
そのためにも、今は少しお休みします。


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